空とシャボンとさくらんぼ
雨雲
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ピリリリーーッ
ガチャン
「………朝、だ」
ぐっと背伸びをしてからあたしは起きた。
……寝不足だ。
その原因は言うまでもなく、昨日の出来事。
『あたしは空が好きなんだよ!』
いつ何度思い出しても恥ずかしすぎる!!
あのあと教室戻ったら、真琴にも顔赤いけど大丈夫?なんて言われるし……
桜坂くんのことは今まで以上に気になるし……
授業は散々だし(噂の弓道部の授業ではなかったけど)。
家でもお母さんにはにやにやした、どこか生暖かいような視線を送られるし。
「なんなんだよー……」
よく分からないこの気持ち。
お気に入りの丸いクッションを抱きしめていると、下から朝ごはんができた、というお母さんの声が聞こえた。
今行くー、と返事をしてさっさと制服に着替える。
そのとき、ふと机の上のカレンダーに目がいった。
「補習も、あとちょっとだな……」
というか、あとちょうど一週間か。
お盆からはあたしたちにも普通の夏休みが来るわけですよ。
なのに……
楽しみだったはずなのに、ちょっと残念だな、って感じたのはきっと気のせい。
「いってきまーす」
「あ、アイ!今日雨降るから傘持って、ってアイ!!」
お母さんの声を無視して(というか聞こえなかった)あたしは今日も学校へ向かった。
これから起こることなんて何も予想しないまま。