彼の秘密と彼女の秘密
錦家は何百年と続く名家で、政治、経済、裏社会にも通用する家なんですよ、と話すと、
「あ、確かに在所はめちゃくちゃ大きかった気がする。ちいさい頃行ったきりだったから忘れてた」
って笑って話す。
全く呑気で能天気で、でも心が安らぐ。
お土産も買い終え、帰宅すると斎藤がきていた。
凛は
「瑠璃、この人は斎藤ですよ。僕の一番の右腕です。斎藤、ここで話ても良いですよ」
「はい。要件だけ手短にお話します。暗殺を生業としているのは、
うち御影家と鞍馬家、あと小さいですが久賀家だけです。
また今まで暗殺された錦家の女達は覚醒の程度が弱かった為でした。
今回の瑠璃様の覚醒が完全なる覚醒のようです」
「そうですか。....斎藤、思っている事があるのではないのですか」
「はい。瑠璃様の家、錦家ですが、瑠璃様が覚醒している事を薄々感づいているように思われます。
3家の争いになればそれ相応の被害がどちらにも出るものと思われます。
ですが久賀相手にそれ程手をやく事もないと思われます。私共は御当主様の御意思に従うまでです」
「わかりました。ひき続き仕事を頼みます」
「御意」
斎藤はあっという間に姿を消した。
瑠璃は、手品みたい、と驚いていた。