彼の秘密と彼女の秘密
「凛、凛、目開けろ。大丈夫か」
「あぁ嵐。やられましたねぇ。嵐は大丈夫なのですか」
「大丈夫や。俺も瑞貴も」
「斎藤、大丈夫ですか」
「はい、申し訳ありません。私が付いていながら」
「気にしなくていいですよ、私もこの様ですからねぇ」
外の連中は大丈夫だろう。中に入って僕の心拍数が乱れたら、
御影邸に戻るように指示は出してある。
本当に危ないのは瑠璃だからだ。
「なぁ思うんやけど、瑠璃ちゃんが天下をとる為に必要とか言いながら、
一番危ないのはあのじいさんじゃないんか?」
「どういう事ですか、御当主様」
瑞貴が不思議がる。それはそうだろう。
相当死ぬぎりぎりまでの訓練をしてきた4人が捕まってしまい、
護衛対象の瑠璃なら大丈夫と言われれば誰でも不思議に思うだろう。
盗聴されている可能性もある為耳元で話す。
パーツパーツだけ話、後は自分で状況から話を組み立てる。
なるほど、と頷く瑞貴。