彼の秘密と彼女の秘密
「瑠璃様、これを...」
凛の血文字の伝令を見せる。
「うそ...凛はケガをしているの?」
「たぶん違うと思われます。御自分の指の血で書かれた物かと思われます。
しかし女医は間者、つまりスパイでした。瑠璃様が女医からもらった薬はこちらで
保管させてください」
「そう...わかった...」
「まだ飲んでませんよね?」
「1錠だけその場で飲まされたの。でも身体に何にも変化はないよ?」
「そうですか..でも安心はできません。
何か少しでも異変がありましたら、すぐ私におっしゃってください」
「わかった...私にできる事はない?」
「瑠璃様はここで安静にしていてください。それと、もし御当主様達の救出の際、錦家のおじい様が亡くなられても、瑠璃様は...大丈夫でしょうか...」
「...仕方ないわ...凛達にこんな事をして許さない」
「わかりました」
桐谷はそのまま部屋を出て行く。