彼の秘密と彼女の秘密
凛は瑠璃の事、女医が間者だった事を嵐に簡潔に話ながら、塀を越え屋根づたいに移動する。
「こんなネコみたいな事久々で楽しいですねぇ」
「てめぇは毎日縁側でネコみてぇだろぉが」
斎藤が西の方を見て指指す。
「あれは何でしょうか?」
それは淡く蒼く光っていて、こっちに向かってきているようだ。
「瑠璃..」
「はぁ!?あれが瑠璃ちゃんて...それはないやろ」
「僕には瑠璃の気配な感じがします。瑠璃とは少し違うような気がしますけど..でも瑠璃です」
「確かに...でもなんであんなんなんや?」
「僕にもわかりませんよ。覚醒..でしょうか..」
呑気な2人に呆れる2人。それもそのはず、ここはまだ敵地のど真ん中なのだ。
「ここで様子見ます?」
呑気な凛。
「さすがにここは目立つから少し移動してからやな」
安堵する斎藤と瑞貴。
離れた一番高い木の上にいる4人。
淡い光はだんだんこちらに向かってきている。