彼の秘密と彼女の秘密
『拷問をしたのね』
「お前を差し出さないからだ」
『私のせいで申し訳ありません。今治してあげます』
淡い光に包まれ、みるみるうちに4人の傷が治り始める。
「すげぇな。あばらも治っちまった」
『私を使って何をしようとしているのです』
「お前がいれば天下がとれる。自衛隊も外国の軍隊も手も足も出んからな」
『愚かな。そんな事の為に4人を傷っつけたのね』
「わしといれば何でも手に入るぞ」
『何でも?そこに愛はあるのかしら?』
「いい相手を探してやろう。そこの御影なんかよりもっといいヤツをな。
わしと手を組もう」
『愚問ですね。あなたはこの世にいるべきではない』
瑠璃が手を錦家のおじい様に向ける。
『あなたはここで死ぬがいいわ』