彼の秘密と彼女の秘密
Sクラスの拷問室に斎藤といる。
すでにもう、舌を噛み切られないように布があてがわれている。
「何を飲ませた」
「早く吐いた方があなたの為ですよ。僕は今気がたっています。
あなたの命などどうでもいいと思ってますから」
それでも女医は話さない。
「斎藤、吊るしてください。後、太い木と金槌、蝋燭、脇差も持ってきてください」
「はい」
斎藤は女医を吊るした後、部屋から出て行く。
「僕は加減を知りません。僕も相当な拷問の訓練を受けて、
死ぬぎりぎりを生き抜いてきた人間です。
ましてや、僕の大事な女と子供に手をかけたのです。
慈悲等これっぽっちもありません。何の薬か吐きますか?」
それでも女はだんまりだ。
「そうですか。では死にたいと思えるような事をしてでも吐いてもらいましょう」
斎藤が戻ってきた。
凛は梁に登って足の裏に太い木を金槌で突き刺して貫く。
女医の悲鳴が響く。下で斎藤が
「吐く気になったか」
と聞く。
まだ吐かない。