彼の秘密と彼女の秘密


「まだみたいです」

「強情ですねぇ。ではもう片方もですねぇ」

もう片方の足の裏にも突き刺して貫く。

気絶した。

斎藤が水をかける。

「起きろ。まだ終わっていない」

凛が蝋燭に火をつけて、傷口に垂らしていく。

悲鳴にならない声が響き渡る。

もうこの女は二度とまともに歩けないだろう。

「吐くのか吐かないのか頷いて答えろ」

それでも頭を振る。

「相当な訓練を受けてきたのですねぇ。敵ながら感服しますよ」

凛は脇差を取り出した。

話さない相手ならもう用はないのだ。

凛が女医の首に脇差を着き付けた瞬間。

「待って!!」

3人がそちらを見る。

そこには桐谷に抱えられて立っている瑠璃がいた。






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