彼の秘密と彼女の秘密
明け方瑠璃が目を覚ました。
「瑠璃、大丈夫ですか?お腹痛みますか?」
「痛くないよ」
「薬が効いているみたいですね。しばらくは点滴だそうですよ」
「そうなんだ...凛は...」
「?」
「凛は私が妊娠したってわかったって聞いた時、嬉しかった?
嫌だった?おろして欲しいって思った?」
「嫌なわけないでしょう。すごくすごく嬉しかったです。実は僕の母上は僕を産んですぐ
亡くなってしまったんです。ですから、同じ事になるのではないかと、
瑠璃がいなくなってしまうのではないかと怖かったのです」
「じゃあ、おあいこだね。私も凛がいなくてすごく怖くて寂しかった」
「ごめんなさい。元気になったら僕の父上に会いに行きましょう」
「え?凛、お父さんいたの?」
「はい、いますよ。別邸に住んでいますから、会う事がなかっただけですね。
瑠璃がこの家にいる事は知っていますよ」
「それなら挨拶も行かずに申し訳ない事してたね...」
「大丈夫ですよ。そんなに気にするなら明日こちらに来てもらいましょう」
「緊張するなぁ...」
「僕とセックスするのとどっちが緊張しますか?」
凛は意地悪をしてくる。
「凛とのに決まってるでしょ」
「僕との何?」
「...凛とのセックス...」
「はい。いい子です」
瑠璃は顔を真っ赤にしている。
やっといつもの瑠璃らしくなってきたかな。