彼の秘密と彼女の秘密
「瑠璃、まだ話があるのですが大丈夫ですか?」
「うん」
「瑠璃、僕は瑠璃と結婚がしたいです」
「.....本当?」
「はい。僕が初めて好きになって一緒にいたいと思った人なんです」
「...喜んで、お受けします」
「良かったです。断られるかと思っていましたから」
「それを言うなら私の方だよ。こんな体質だし、産まれてくる子もまだどうなるかわからないし...」
「瑠璃、それを全部含めて僕は瑠璃を受け入れますよ。
僕は瑠璃と結婚がしたいんです。でもその前にお互い考えなければならない事がありますね」
「おじい様が亡くなられた事?」
「はい、それもあります」
あの大騒ぎの後、うなされるようにして亡くなり、錦家の現当主は瑠璃なのだ。
「瑠璃は錦家の当主です。僕は御影家の当主です。錦家は舞踊の表千家、また珍しい事に茶道、華道ともに表千家でもあります。瑠璃はこれを断絶させてはいけません。ここまではわかりますか?」
「うん」