彼の秘密と彼女の秘密
「父上、瑠璃の錦家は舞踊、茶道、華道の表千家です。もし子が生まれたのなら
継がせなくてはなりません。ですが僕も暗殺稼業を継がせなくてはなりません。
そこで、男の子なら暗殺、茶道、華道を、女の子なら暗殺、茶道、華道、舞踊を
させようと考えています。僕達の子は大変だと思います。
優しいおじい様になってくださいね」
凛は冗談を混ぜながら話す。父上はケラケラ笑う。
「結婚する事を許していただけますか」
「一生大事にしなさいよ。瑠璃さんも凛がわがままを言うようなら言ってきてくださいね。
自分の父親だと思ってください」
「父上は瑠璃に甘やかし過ぎです」
「お前も甘やかしているのだろう」
「バレてましたか」
みんなで笑う。