彼の秘密と彼女の秘密
18
御影邸。
パーティーも終わって帰ってきたのだ。
「瑠璃に僕から贈り物があるのです」
「贈り物?」
「ええ。これです」
「櫛?」
「ええ。本当はプロポーズの時に渡すべきだったそうなんですが...」
凛の話によると、江戸時代、結婚したい相手に櫛を贈り、
受け取ってもらえるとyesの返事だったらしい。
「そうだったんだ。ありがとう。
受け取っておくね。きっとこの家にいたら使う機会もあるよね」
「瑠璃、こっちにおいで」
凛に愛される、結婚して初めての夜。
「瑠璃、いつか元気な赤ちゃんが欲しいですね」
「うん。楽しみだね」
「今日は手加減はしませんよ。覚悟していてください」
「もぉ、凛の変態!!」
「聞き捨てならない言葉ですね。好きな女の子に対してそう思うのは普通の事ですよ」
「ううううううぅぅぅぅぅ」
何回も何回も愛し合う。
もう離れる事がないように願いながら。