彼の秘密と彼女の秘密
第二章
1
___凛___
あれから半年。
また桜の咲く季節がやってきた。
去年は瑠璃に京都の桜の木の下で会ったんですよねぇ。
今年も花見でも行きましょうか。
そんな事を考えてると、瑠璃が稽古から帰ってきた。
「お花見をしませんか?お団子をたくさん持って」
「いいね!!いつものお団子屋さんがいいな!!」
「はいはい。僕が頼んできましょう。もう仕事に
行かなくてはならないのでしょう?」
「うん。ごめんね、稽古したいなんて言っちゃったから
夜しか一緒にいる時間がなくて」
「いいんですよ。夜だけでも。一緒にいられる事が大事なんです」
「ありがとう。じゃあ、シャワー浴びたら行ってきます!」
「いってらっしゃい。気をつけてくださいね」
「大丈夫だよ。心配性だな、凛は」
瑠璃は浴室に向かった。