彼の秘密と彼女の秘密
大広間にいる嵐をみつけ、
「今度お花見をしましょう。今から甘味屋にお団子の注文に
行くのですが、嵐も一緒に行きませんか?」
「ええよ。すぐ支度するから待っとって」
「はい」
凛はそのままその足で玄関で待つ事にする。
「おう。待たせたな」
「では行きましょうか」
凛と嵐は並んで歩く。
2人とも顔は芸能人並みに綺麗なのだ。
振り向かない人がいないわけない。
「めんどくせぇな。夜にすればよかったな」
「夜だとお店が閉まってしまいますからねぇ」
「それはそうと瑠璃の稽古の方はどうなんや?」
「斎藤の話ではそろそろ抜かれそうだと」
「ほんまか!?えらい強くなったなぁ」
「ええ。そろそろ僕や嵐が相手をしなくては
ならなくなりそうですねぇ」
「そうかぁ...ちょっと複雑」
「僕もです。あれほど長い年月をかけて得たものが
瑠璃にはこうもあっさりとできてしまうんですねぇ」
歩く2人の足取りはちょっと重かった。