彼の秘密と彼女の秘密
___里奈___
お風呂からあがり、浴衣に着替えると、
食事ができあがっていた。
ここはみんな和服なのだなぁ。
食事も終わり、みんなを呼んでもらった。
「私の為にいろいろありがとうございます。
すぐここを出て行きますので、安心してください」
「でも、住む所がないのしょう?」
「一応あります。でも、両親の...死体があるので
葬儀もありますし、一度戻らないと」
「その家で不安なく暮らせるの??」
「それは...とても怖いです...でも葬儀だけは」
「俺が一緒に行ったるわ」
みんなが、え?、という顔をした。
「俺、嵐ちゅうねん。今はこの家でのんびりしとるけど
家は関西やねん。やから、気にせんでええよ」
「それはありがたいのですが...本当にいいのですか?」
「ええよ」
「里奈ちゃん、私瑠璃って言うの。
辛いかもしれないけど、乗り越えなきゃいけないの。
私も同じ様に乗り越えた。だから、今より強くなら
なくてはいけないんだよ。嵐はいい人だから、何でも頼んで
大丈夫だよ」
瑠璃ちゃんは笑って言う。
「わかった。乗り越える為に帰ります。
そしてちゃんと葬儀をすませてきます」
「うん。その後の事はまた一緒に考えよう」