彼の秘密と彼女の秘密
___瑠璃___
みんなが戻ったのを見届けると、
久賀の忍の捕縛を解いた。
逃げ出そうとする者はいない。
『みなさんの雑技団の行脚楽しみにしています。
東京にこられた際にはぜひお立ち寄りを』
そう告げると塀を越えてみんなと車に乗った。
「みんなケガはない?」
「ええ、大丈夫ですよ。瑠璃は身体どうですか?」
「ちょっと疲れちゃった。こっちの訓練も
しておかないとだなぁ、って思っちゃったよ。
あ、変に利用するとかじゃなくてね。
本当に守りたいものの為に途中で力が尽きた、
じゃ、話にならないでしょ?」
「そういう事ならいいですね」