彼の秘密と彼女の秘密
___凛___
しがみついたまま離れない瑠璃。
「すっぴんでも可愛いですよ」
「お世辞なんかいらないよ」
「僕はお世辞なんか言えません。本当に思ったから言ったんですよ」
「...ありがとう...」
「明日は何を買いに行きましょう?」
「............」
「???????」
しがみつかれたまま瑠璃は寝てしまったらしい。
布団に運んで、自分の部屋ひ戻ろうとしたら浴衣の袖を引っ張られた。
この家は寝る時だけは浴衣なのだ。
(どうしよう...)
瑠璃は一向に離してくれそうにない。
しょうがない、ここで寝ましょうか...
長いまつげ、白い肌、ふっくらとした唇。
耳についているピアスが月の光に反射して淡く光っている。
うっすらと紅に染まる頬に口付けをした。
「おやすみなさい」
僕の理性が働いている時で本当に良かったです。
凛も意識が薄れていくのを感じながら眠りについた。