彼の秘密と彼女の秘密


「嵐、あなたが思っているようの事は一切ありませんよ。
瑠璃をそういう事で想像するのはやめてもらえます?
不愉快です。朝から殺されたいのですか」

「なぁーんだ。つまらんの。瑠璃ちゃんよく眠れた?布団大丈夫やった?」

「大丈夫だったよ。ありがとうね、嵐。あ、お布団の値段いくらだった?返さなきゃ」

「あぁ、それならいらねぇよ。引越し祝いだ。それにこれから夕食作ってもらうしなぁ」

「ありがとうね。でも、作るのって夕食だけなの?朝食や昼食は?」

「朝食は2人とも食べないんですよ。2人して低血圧でしてね。
昼食は各自適当に外で済ませたり食べなかったりするから
夕食だけで大丈夫なんですよ。瑠璃が朝食を食べるのでしたら食べて構わないですよ」

「私も朝は苦手なんだ。コーヒーだけで3日間は大丈夫な位」

「それはダメですね。この家に来たからには夕食だけでも摂ってもらいますよ。
それとこれを渡しておきますね」

手渡されたのは銀行の通帳とカード。

「こんなの持ってる訳にいかないよ!!そんなに簡単に信用しちゃっていいの??」

「俺は信用してるぜ」

「僕もですよ。それにこれからの食料の買い出し等、
自分のお財布から全部出すつもりですか?そのお金から使ってください。
それに暗証番号は××××です。異論は認めません」

手渡されてしまった通帳とカード。
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