彼の秘密と彼女の秘密
「ご飯できたよー!!!」
嵐がダッシュで走ってくる。凛はのんびり。
「今日はね和風ハンバーグと鯛のお刺身、鯛のお頭のお味噌汁、8種類の野菜サラダにひじきの煮物」
「うわぁぁぁ!!うまそうぉぉ!!瑠璃ちゃんすごいなぁ」
「瑠璃、びっくりしましたよ。まさかこんなに作れるとは」
「味の保障はないけどね」
へへへと瑠璃は笑う。
「「「いただきまーす!!」」」
「瑠璃ちゃん、うま過ぎるよー。俺感激」
今にも泣きそうな嵐。
「本当に美味しいです。ありがとうございます」
「喜んでもらえて良かったぁ」
嵐は瑠璃のハンバーグまで手をのばしている。
「美味しかったなぁ!!俺幸せー!もう死んでもええ!!」
「ほぉ、ではさっそく死にますか」
「凛!冗談やって!!」
初めての夕食は賑やかに終わった。
全部食べ終えて片づけをしている瑠璃の所へ行き、
「片付けの手伝いなら恥ずかしくないでしょう?
それに一緒にやった方が早く片付きますしね」
瑠璃には関心させられる。
全部洗い終わってもシンクや三角コーナー、ガスレンジやガスレンジの下まで綺麗に磨いている。
「いつもね、お母さんがこうしてたの。
だからかな?私も料理したら片付けしないと気がすまなくなちゃって」
と瑠璃は笑う。
瑠璃はちゃんと話してくれるだろうか...
どう切り出していいものだろうか...
嵐も珍しく縁側で黙ってあぐらをかいて座ってお酒を飲んでいる。
僕も縁側に腰をおろし脚をぶらぶらさせながら一緒に飲む。