彼の秘密と彼女の秘密


___凛___


凛と瑠璃は黙って月を眺めている。

「瑠璃、寂しくても僕がいつも側にいます。約束しますよ」

「...あり...がとう...」

瑠璃は泣いていた。
抱きしめてあげると、さらに泣いた。

「悲しい時は泣いていいんですからね。僕が全部受け止めますから」

「うん。ありがとう。そんな凛が...」

「そんな僕が、どうしました?」

「すごい好き...です」

瑠璃が顔を真っ赤にして俯く。
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