彼の秘密と彼女の秘密
瑠璃は話を聞きながら唖然としていたが、だんだん泣き出し、
「ごめん...ごめんなさい...私のせいで凛にも嵐にも...
嵐は人を殺しに...ごめんなさい...だから今日視線を感じたんだ...」
「瑠璃。瑠璃が謝る事はないんですよ。僕も嵐も幼少の頃からそういう訓練を受けてきたんですから。でも罪悪感はあります。でも、命を奪った僕達は泣いてはいけないのです。だから僕も嵐も死んでいった人の分まで精一杯生きていくのです。...瑠璃、僕が怖いですか?嫌いになりましたか?」
「ならないよ。私も両親を殺してしまっている。同じだよ。
私は今まで自分の事ばっかりだったけど、私は両親の分まで精一杯生きていかなきゃなんだよね」
「そうですよ。瑠璃、よく聞いてください。
必ず1人で出かけない事です。約束できますか?」
「うん」
「それと自由自在に覚醒はできますか?」
「うん。でもどうして?」
「もしもの護身の為です。これからは隠さなくてはいけませんよ。
相手にばれた場合、殺される事になりますからね」
「うん...わかった」
「それにしてもうちの護衛はダメダメですね。瑠璃に感づかれるなんて。
瑠璃、今日の夕食はケータリングにしましょう」
「なんか食欲なくて...凛と嵐の分だけとって。私、部屋にいるね」