彼の秘密と彼女の秘密


部屋に入って布団に横たわる。
新しい浴衣も羊羹も楽しみにしていたんだけどなぁ...

「はぁー。呪われた血、なのかな...」

「瑠璃、入っていいですか」

「うん」

凛が入ってきて座る。

「瑠璃、呪われた血なんかじゃありませよ。僕の大好きな瑠璃の血です」

「聞いてたんだ...ありがとうね」

涙が出てきちゃうよ...

「瑠璃、新しい浴衣着てみてくれませんか?」

「え?今??」

「はい。新しい浴衣を着て鶴屋の羊羹を一緒に食べましょう。
縁側でお茶をいれて待ってますね」

凛は気を遣ってくれたのだろうな。
いつまでも落ち込んでちゃ凛にも嵐にも悪いよね。
新しい浴衣は浅緋色だ。
凛なんていうかなぁ。




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