彼の秘密と彼女の秘密



___凛___


瑠璃が新しい浴衣を着て縁側にきた。

「どう?」

「よく似合ってますよ。浅緋色ですね」

「凛って色に詳しいんだね!?」

「この間、呉服屋に行った時に瑠璃に似合いそうだな、って思ったから」

「凛は呉服屋で浴衣買ったの?」

「いいえ。これです」

「根付?」

「はい。よく似合うかと」

「ありがとう。これ鈴がついてるんだねぇ。可愛い...いつも持っておくね」

「喜んでもらえて良かったです」

「鶴屋の羊羹美味しいねぇ。嵐は甘味好きなの?」

「嵐はあんまり量は食べませんが少しなら食べますよ」

「あのね、凛。私、負けないよ。凛と嵐にばっかり
頼らないで自分もしっかりしなきゃって思うんだ」

「えらいですよ、瑠璃。でも決して無理してはダメですからね。
1人で行動するのもダメですよ」

「でもいい方に考えたら、いつも凛といられるって事だよね」

瑠璃は無理してでも笑顔でいようとしているんですね。


























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