彼の秘密と彼女の秘密
目が覚めたらもう辺りは真っ暗。
「ごめんね、こんな時間になっちゃった。
上着かけてくれたんだ、ありがとう」
「謝らなくていいよ。瑠璃ちゃんスカートなのに寝ちゃうからさ」
凛は笑っている。
「それにね、僕、月を見ながらお団子食べてるのが好きなんだ。
さすがにもう食べれないけど、月を見てるだけで幸せな気分になれるんだ」
そう言う凛は本当に幸せそうで、ちょっと切なそうで。
「本当に幸せな気分になれるね。綺麗だね」
「瑠璃ちゃんの方が綺麗だよ?」
「またぁー!凛は適当な事言い過ぎだよー」
「本当だよ。僕ずっと見ていたんだよ。毎日桜並木の所で
座っている瑠璃ちゃんを。月夜の晩も。なかなか声かけられなくてね。
だから、僕はお団子に感謝しなくちゃだね。」
凛は笑う。
モデルみたいに綺麗な顔で。