彼の秘密と彼女の秘密
___凛___
縁側で瑠璃と鶴屋の羊羹を食べながら。
「今日は満月だねぇ」
「月と甘味と瑠璃。最高な夜ですね。
瑠璃、口に羊羹が...」
凛の顔が近くなる。
瑠璃の顔が赤くなるのがわかる。
「てめぇら、いい度胸してんなー」
「あ、嵐。羊羹を食べてただけですよー。嵐も羊羹欲しかったですか。
あ、でももう全部食べてしまいました」
「ケンカ売ってんのか?」
「まさかぁ。嵐には敵わないですもん」
凛は可笑しそうに笑う。
嵐はふんと言って縁側に座る。
「嵐、私のなら余っているからあげるよ」
「瑠璃、それは僕が嫌です」
「...じゃあ、明日は多めに買ってくるね」
沈黙が流れる。