俺様とネコ女
読み終わるなり立ち上がり、いつも酒と水しか入ってない冷蔵庫を開けた。

あいつ料理しないって言ってたよな。そんなあいつが手料理?

期待がこみ上げてくる。


俺の目線の高さより少し下の段に、オムライスとサラダとスープがあった。ドアには、余った玉子やケチャップ、料理に使ったであろう調味料があった。ああクソ。なんだアイツ。可愛すぎる。

オムライスを取り出して、声を上げて笑ってしまった。


「ここネコか」


オムライスにケチャップでネコの顔が描いてあったのだ。

数分のレンジの温め時間が待ち遠しい。別に腹が減ってるわけでもないのに、早く食べたい。


料理はしないと言っていたあいつの手料理は旨かった。
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