俺様とネコ女
片肘ついた美咲は、ウーロン茶を一口飲んだ。そして、真剣な眼差しを私に向ける。

「祐樹は?」

「え?」

「祐樹はもう好きじゃないの?」

「うん。びっくりするくらいどうでもいい」

そう言ってビールを流し込んだ私。 自分の心変わりの早さ、自覚している。


「ついこの前の話だよ?初めて失恋して、落ち込んでたよね」

「そうなんだけど、コウに夢中」


頭を抱えた美咲がわたしを見る。 顔。顔に出てる。「あきれた」って。


「あの人どう考えてもドSでしょ。それに俺様だよね」

そう。 自分がまさかそのタイプにどハマりするとは思ってなかった。

なぜなら今までそういうタイプは嫌悪していたからだ。
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