俺様とネコ女
重い体を起こして、小走りでコウの後を追った。洗濯物を洗濯機に入れているコウの背後に立ち、体を隠すように密着した。


「またじゃれてきた」

「違うよ。くっつかないと見えるじゃん」

「お前にも羞恥心があるのか」

「たまにはね。って、このやろう」

「今更だろ」

「エロオヤジ」

「全裸で外に放り出されたいか」

「出来ないくせに」


力任せに引っ張られ、お風呂に放りこまれてしまった。お風呂から顔を覗かせて、洗濯機のスタートボタンを押したコウに一言。


「ご一緒にいかがです?お背中流しましょうか?」

無表情なコウは静かにお風呂のドアを閉めて、こともあろうか電気を消した。


「ちょ、ちょっと!それはやめて!電気つけて!」


大声を出しながらお風呂を飛び出した私に、コウは「ざまぁみろ」と笑った。
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