俺様とネコ女
「親睦を深める飲み会だと思って。上野ちゃんは座ってればいいから。それにね、ほんとに企画はイケメン揃いだよ」

「あの、でも」

「大丈夫。私に任せて。決まりね。OKって返事しとくね」


そう言うなり、課長はすぐさま受話器を握った。もう企画課に承諾の電話をかけている。


「さ、お仕事しよ。上野ちゃん覚えが早いから教えがいがある」

「よろしくお願いします」

褒められて嬉しい。社交辞令かもしれないけど、褒め言葉は素直に受け止めるのが一番だ。



集中してると、あっという間に午前が終わった。実践さながらのメールや電話。それから、スケジュール管理を教わった。空き時間に整理しよう。

秘書の仕事はマルチタスクだ。



「上野ちゃんお昼行こ」

「はい」


コウに会えるかもしれない、というほのかな期待は現実となるのだが、同時にガハガハとうるさい男に捕まることとなる。
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