俺様とネコ女
ふと会話が途切れて、直哉さんが顔を寄せてきた。かすかにムスク系の香水が鼻をかすめた。お互いの肩が触れている。


「こころちゃん、ほんとはビール飲みたいんでしょ」

「うん飲みたい」

「だよね。こころちゃんさっき笹山さんに捕まってたけどさ、俺がこころちゃんの隣に座っちゃったから月曜何言われるか。あの人ネチネチした性格なんだよな」

「職場での人間関係は大事にしなきゃ。ご愁傷様」

「こころちゃんが言う?それ」

お互いの吐く息が混じり合う程の近さで囁き合い、クスクスと笑う。

本当の私を知ってる直哉さんと喋ってると、心がほぐれる。それに、直哉さんの醸し出す雰囲気って、なんかホッとする。
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