俺様とネコ女
”こころちゃんは無事帰りの電車に乗った。
あの子、かわいくて素直でいい子だな。”


直哉からメッセージがきたのは、車のエンジンをかけたときだった。いつもはポケットに入れっぱなしのスマホを、車のダッシュボードに置いていた。

直哉からの連絡を待っていたのと、もしかしたらあいつから連絡が来るかもしれないと、そう期待したからだ。

疲れが飛んだ。自分の顔がニヤけてるのがわかる。それでも笑顔を抑えきれない。

ハンドルを握ると、あいつの危険な運転を思い出した。いつどこで、何をしててもお構いなしに現れるあいつの記憶。


もう、否定する気にもならない。

この感情が直哉に言われて知った、”好き”であること。
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