俺様とネコ女
待ち合わせ場所に停車している車を見つけた瞬間。私の歩みは鼓動の加速に比例して、早足になり、途中で駆け足に変わる。
「お待たせ。運転変わろうか?」
「やめてくれ」
「だよね。この前は死神が見えたんだっけ?」
助手席に乗り込んだ私に、運転席から冷ややかな笑み。ああもう。くっつきたい。その冷たさを温めて、熱くして、最終的には沸点超えて溶かしたい。
「飯行くか。飲めないから車置きに帰るか」
「じゃあ宅飲みしよ?何か作るからスーパー寄って帰ろ」
無言で車を発進させたということは、イエスなんだろう。
右手だけハンドルを握り、左手は肘置きの上。綺麗な指が無防備で、触れたいという衝動に駆られる。触りたくてうずうずする。
たまらずその魅惑的な指に自分の指を絡ませたとき、不意にコウの指にも力が篭る。
「早速じゃれてきた」
その言葉に、その笑顔に、心臓が軋んだ。
「お待たせ。運転変わろうか?」
「やめてくれ」
「だよね。この前は死神が見えたんだっけ?」
助手席に乗り込んだ私に、運転席から冷ややかな笑み。ああもう。くっつきたい。その冷たさを温めて、熱くして、最終的には沸点超えて溶かしたい。
「飯行くか。飲めないから車置きに帰るか」
「じゃあ宅飲みしよ?何か作るからスーパー寄って帰ろ」
無言で車を発進させたということは、イエスなんだろう。
右手だけハンドルを握り、左手は肘置きの上。綺麗な指が無防備で、触れたいという衝動に駆られる。触りたくてうずうずする。
たまらずその魅惑的な指に自分の指を絡ませたとき、不意にコウの指にも力が篭る。
「早速じゃれてきた」
その言葉に、その笑顔に、心臓が軋んだ。