俺様とネコ女
「振られたとかありえなくない?」
飲み干したビールジョッキを持つ手に力が入る。打ち下ろすようにテーブルに置くと、ドン、と響いた。
ここは。中国地方最大の都市にある、S駅近くの居酒屋。金曜日の今日、店内はスーツ姿の男性客で賑わっている。
先日大学を卒業したばかりの私は、明後日からこの近くのオフィス街の、とある企業で働くことが決まっている。そこは県内で一流企業と位置付けられる、人気の就職先で。
新社会人。夢と希望に満ち溢れているはずなのに、生まれてはじめての失恋で、それどころじゃない。
「まぁ仕方ないよ。男の友情に負けたんだよ」
「友情に負けたとか無理。納得いかない。BL?実は2人が出来てたとか?」
「こころならすぐ新しい彼氏できるって」
向かいに座る親友の神崎美咲は、飲めないのに私のヤケ酒に付き合わされ、散々愚痴を聞かされ慰めさせられ、ほんといい迷惑だと思う。
ごめんね、ありがと、ほんと大好き。
その美咲はというと、卒業したばかりの私たちの母校である大学の就職課に就職した。
飲み干したビールジョッキを持つ手に力が入る。打ち下ろすようにテーブルに置くと、ドン、と響いた。
ここは。中国地方最大の都市にある、S駅近くの居酒屋。金曜日の今日、店内はスーツ姿の男性客で賑わっている。
先日大学を卒業したばかりの私は、明後日からこの近くのオフィス街の、とある企業で働くことが決まっている。そこは県内で一流企業と位置付けられる、人気の就職先で。
新社会人。夢と希望に満ち溢れているはずなのに、生まれてはじめての失恋で、それどころじゃない。
「まぁ仕方ないよ。男の友情に負けたんだよ」
「友情に負けたとか無理。納得いかない。BL?実は2人が出来てたとか?」
「こころならすぐ新しい彼氏できるって」
向かいに座る親友の神崎美咲は、飲めないのに私のヤケ酒に付き合わされ、散々愚痴を聞かされ慰めさせられ、ほんといい迷惑だと思う。
ごめんね、ありがと、ほんと大好き。
その美咲はというと、卒業したばかりの私たちの母校である大学の就職課に就職した。