俺様とネコ女

2.コウside

「おい起きろ」


今日は会社の決算日だった。連日忙しく、久しぶりにゆっくり直哉と飲んでいたら、とんでもないことになった。

地面に座り込むバカ女をこのまま放置してやろうかと、ほんの一瞬頭をよぎる。


「おい。お前家は?」

「んー?」

完全に目を閉じて、無防備に顔を上げた女。僅かに頬を朱に染め、甘えるように手を伸ばしてくる。仕方なくその腕を掴み、女を抱きかかえてタクシーに乗り込んだ。

マンション名を告げると、無言で発車させた運転手にイラつきながら、俺に体を預ける女を起こしにかかった。


「起きろ」

微動だにしない女を起こすことはあっさりあきらめ、横顔を眺める。
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