俺様とネコ女
「ところでコウさんそれ何本目?」
回鍋肉はとっくになくなり、かなり飲んだ。ガラスのローテーブルの上には、空き缶がたくさん並んでいる。
「ほんとによく飲むよね。夜中トイレに起きるよ?」
「寝たら起きない」
「明日仕事?」
「明日は休み。ひたすら寝る」
「かわいい」
「は?」
「コウの寝顔思い出したの。あどけなくて可愛いんだよ」
きっと可愛いといわれ気に入らないんだろう。チラリと腕時計を見て、それから小さく呟く。
「まだ22時か。いつもならまだ会社だ」
「ねえ。今から映画見ようよ」
突然の提案に、コウは無言でテレビをつけた。ということは、賛成とみなしていいのだろうか。
「今のうちにお皿洗うね」
まず食器を持ってキッチンへ。それから大量の空き缶を取りに戻ってまたキッチンへ。
「俺洗うから置いとけ」
ソファーから声をかけてくれる。
「いいからいいから」
このくらいさせて。ゆっくりしてて。
スポンジに洗剤をつけぎゅっぎゅと泡立てる。さあ洗うぞと脂っこい大皿を持った瞬間。
「捕獲」
耳元で、低い、甘い、声がした。
回鍋肉はとっくになくなり、かなり飲んだ。ガラスのローテーブルの上には、空き缶がたくさん並んでいる。
「ほんとによく飲むよね。夜中トイレに起きるよ?」
「寝たら起きない」
「明日仕事?」
「明日は休み。ひたすら寝る」
「かわいい」
「は?」
「コウの寝顔思い出したの。あどけなくて可愛いんだよ」
きっと可愛いといわれ気に入らないんだろう。チラリと腕時計を見て、それから小さく呟く。
「まだ22時か。いつもならまだ会社だ」
「ねえ。今から映画見ようよ」
突然の提案に、コウは無言でテレビをつけた。ということは、賛成とみなしていいのだろうか。
「今のうちにお皿洗うね」
まず食器を持ってキッチンへ。それから大量の空き缶を取りに戻ってまたキッチンへ。
「俺洗うから置いとけ」
ソファーから声をかけてくれる。
「いいからいいから」
このくらいさせて。ゆっくりしてて。
スポンジに洗剤をつけぎゅっぎゅと泡立てる。さあ洗うぞと脂っこい大皿を持った瞬間。
「捕獲」
耳元で、低い、甘い、声がした。