俺様とネコ女
「ホウ」


ひょっと、と言ってうがいをしたここが、タオルで口元を拭きながら、鏡に映る俺の頭の上辺りを見る。


「今のホウは、俺のことか?」

「そうそう。歯磨きしてたらコウがホウになった。ところでコウ、身長何センチ?」

「178。お前は?」

「自称160。実際も160。サバ読んでないから」

「体重は?」

「バカ」


18センチ低いところから睨んでくるここをひょいと抱き上げた。俗にいう、お姫様だっこと言うやつだ。


「わっ」

ベッドに一直線に進む俺の首に腕を回し、じゃれてきた。そっと、甘えるように。俺の鎖骨上を、ちゅ、ちゅ、と音を立てながら唇で触れてくる。


かわいすぎる仕草だが、不愉快でもある。いかにも慣れてる様で、腹立たしい。
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