俺様とネコ女
綺麗な顔の女。凛としたアーモンドアイは大きく、細い体に白い肌。

それらからは想像もできないほどよく飲んだ。2軒目に連れて行った俺の行きつけのバーで、気が合って話が弾んだ。今まで女と話が弾むなんてありえなかったのに、この女は違った。正直、楽しいとさえ感じた。

女はよく話すし、会話の切り返しから頭の回転が速いことが分かった。波長が合う。そして、気が強くて、生意気。言葉の少ない俺の機嫌を伺うことをせず、むしろそれに飄々とつっこみ、笑いに変えた。

男同士でよく話題になる『女のタイプ』誰しもが何かしらの好みを持っていることは知っていた。例えばそれは容姿であったり、内面的なもの。もしくは性癖。

結論から言えば、俺はそんなものは持ち合わせていないと思っていた。だが、居酒屋で女と目が合った時、ああ、俺にも“それ”にカテゴライズされる感覚があったのかと苦笑した。

大体俺は初対面の女に誘われても、絶対相手にしない。話しかけられても見向きもしない。

それなのに、2人で2軒目に行き、バカな賭けに乗った。


”先に潰れたほうが奢る”潰れたら払えない。それを承知の上で。
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