俺様とネコ女
翌朝10時半に目が覚めた。1週間の疲れを取るには、十分とは言えないが、今朝はいつになく目覚めがいい。

が。

ここがいない。どこいったんだ?

マグカップが一つ洗って伏せてある。

鞄は…ない。送って行くと言ったから、帰ってはいないだろう。


ここがいない。それだけで分かりやすく気分が落ちる。コーヒーメーカーに一人前残ってるいるが、飲む気がしない。

と、その時、玄関の鍵が開いた。


「おはよ。早いね今日。今日は一人で起きれたんだね」


大げさに驚いて見せた後、スーパーの袋を下げたここが、ニコリ、微笑んだ。

心の底から浮上したのがわかった。当然、イラつきも消滅した。


「買い物?」

「うん。コウ一人だとご飯食べないでしょ?ビールばっかり飲んでちゃ体に良くないでしょ」

「お前もだろ」

「サプリで補ってます」

「気休めだ、あれは」

「だよね」

「コウ」と、キッチンの向こうから、呼びかけられる。


「カレー作っとくね。何日か食べれるでしょ。ていうか食べなさい」

「料理しないんだろ?また料理してくれるのか?」

「ん、コウの為なら、めんどくさくない」
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