俺様とネコ女
「集合時間に遅れそう」

5分ほどで降りてきたここは、服を着替えていた。


「何でそんな足出してんだよ、出すぎだろ」

「お父さんみたいみたいなこと言ってる」

「は?」

「ショーパンだからこんなもんでしょ?」


不思議そうに言うここに舌打ちだ。おっさん、おやじ、お父さん。好き勝手言いやがって。

ゼミの集まりなら15人くらいか。経済学部だからほぼ男だろう。分かれよイラつく。


駅前から少し離れた車寄せに駐車した。もうすでにほとんど集まっているようだった。


「ありがとね」

「いや」

「他の女と会わないでね」


珍しい。またそんなこと言う。

助手席のシートの上でうつむき目線を合わさないここが、可愛くて仕方ない。

ほかの女なんていない。俺が欲しいのはお前だけだ。


ここを抱き寄せてキスをした。
< 213 / 337 >

この作品をシェア

pagetop