俺様とネコ女
通じ合うこころ
1.コウside
5月4日。午前中に、なんとか仕事を片付けた。駐車場に向かっているとき、直哉から電話がかかってきた。
「トラブっちゃって会社来たらお前の車あったから電話してみた。俺もう帰るんだけど、時間あったら飯食おうぜ」
「ああ、車まで来い」
「おけ」
すぐ直哉は現れた。助手席に乗せラーメン屋に向かった。昼時のラーメン屋は酷く混んでいたが、スーツを着た人間は、俺と直哉だけだった。
「ビール飲みてえ」
「この前、こころちゃんも同じこと言ってた」
「ああ、この前は悪かったな」
「いや。実は俺、行くのちょっと遅れたんだ。一番女好きな先輩が、こころちゃん口説いてて焦った。コウに殺されるって思ったよ」
「なんだよお前、ミッション失敗してんじゃねえか」
「そのあとちゃんと守り抜いたから。お前、恩人に向かってなんだその言いぐさ」
直哉の言うとおりだ。きっと直哉がいなければ、猫かぶりここは、八方ふさがりだったはずだ。
「トラブっちゃって会社来たらお前の車あったから電話してみた。俺もう帰るんだけど、時間あったら飯食おうぜ」
「ああ、車まで来い」
「おけ」
すぐ直哉は現れた。助手席に乗せラーメン屋に向かった。昼時のラーメン屋は酷く混んでいたが、スーツを着た人間は、俺と直哉だけだった。
「ビール飲みてえ」
「この前、こころちゃんも同じこと言ってた」
「ああ、この前は悪かったな」
「いや。実は俺、行くのちょっと遅れたんだ。一番女好きな先輩が、こころちゃん口説いてて焦った。コウに殺されるって思ったよ」
「なんだよお前、ミッション失敗してんじゃねえか」
「そのあとちゃんと守り抜いたから。お前、恩人に向かってなんだその言いぐさ」
直哉の言うとおりだ。きっと直哉がいなければ、猫かぶりここは、八方ふさがりだったはずだ。