俺様とネコ女
遅めの昼飯に、名物のあなごめしを食べながら、次の希望を確認する。


「次は?」

「ん?」

「俺がお前と行きたいところの次だよ。これからどこ行きたい。お前が決めろ」

そうだよねえ。と頬杖を付く。

「昨日ね。コウに言われて考えたんだけど、行きたい所って全然浮かばない。連休だから人多いし」

そう言って窓から外を眺める。店の前には行列ができている。


「私超インドアって言ったでしょ?引きこもるの大好きだし」

「映画にするか?」

「んー。それも考えて、今何してるか調べたんだけど微妙」

「それなら一緒に引きこもるか?なんか動画見るか。スマホじゃなくてテレビのでかい画面で」

「いいね!でもそれじゃコウがつまんなくない?」

「俺も嫌いじゃない。それに誕生日だろ。好きにしろ」

「ありがとう」


やった。引きこもりだ。と喜ぶここ。

最近の俺は仕事が忙しく、ほとんどゆっくり過ごすことができないでいる。だからゆっくり静かに過ごすのはありがたい。

さらに、そこにここがいると思うと、喜ばしいことこの上ない。
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