俺様とネコ女
「どれだけ引きこもれんの?」
「引くよ?」
「言え」
「大学にも行かずに、3日間ひたすらスマホで動画見てたことがある。4日目の朝、美咲に怒られて強制終了」
「何か嫌なことあったのか?」
男絡みではないかと探りを入れる。そんな俺の心とは裏腹に、ここはあっけらかんと答えた。
「全然。普通に、海外ドラマにはまってただけ」
「なんだそれ」
「知ってるかな。主人公が可愛い、二重スパイのドラマが面白くて、シーズン1からシーズン5まで一気見」
「アホだな」
「好きなんだもん。FBIとか、ニューヨーク市警とか。あーあ。やっぱり引いてる」
「いや。俺も海外ドラマは一時期よく見てた。最近は時間なくて見れないけど」
「…ありがとね」
ここに突然礼を言われる意味が分からない。無反応な俺に、もう一度、繰り返した。
「昨日も仕事だったんだよね。疲れてるのに、会ってくれてありがとう。私の誕生日を、一緒に過ごしてくれて嬉しい」
遠慮するような、申し訳ないような、そんな表情を隠すように、小首をかしげて微笑んだ。
もしも今、二人きりだったら。
ここに、好きだと、伝えていただろう。
「引くよ?」
「言え」
「大学にも行かずに、3日間ひたすらスマホで動画見てたことがある。4日目の朝、美咲に怒られて強制終了」
「何か嫌なことあったのか?」
男絡みではないかと探りを入れる。そんな俺の心とは裏腹に、ここはあっけらかんと答えた。
「全然。普通に、海外ドラマにはまってただけ」
「なんだそれ」
「知ってるかな。主人公が可愛い、二重スパイのドラマが面白くて、シーズン1からシーズン5まで一気見」
「アホだな」
「好きなんだもん。FBIとか、ニューヨーク市警とか。あーあ。やっぱり引いてる」
「いや。俺も海外ドラマは一時期よく見てた。最近は時間なくて見れないけど」
「…ありがとね」
ここに突然礼を言われる意味が分からない。無反応な俺に、もう一度、繰り返した。
「昨日も仕事だったんだよね。疲れてるのに、会ってくれてありがとう。私の誕生日を、一緒に過ごしてくれて嬉しい」
遠慮するような、申し訳ないような、そんな表情を隠すように、小首をかしげて微笑んだ。
もしも今、二人きりだったら。
ここに、好きだと、伝えていただろう。