俺様とネコ女
「笑うな、重い」
「コウっていい男。祐樹より色気がある」
「当たり前だろ」
22、3のガキと比べるな。ガキと比べられたことに腹が立つ。そして女に対して理解しがたい感情の存在を感じつつ、気付かない振りをする。
1軒目の居酒屋で聞いた失恋話。聞いていて虫唾が走った。唾を吐きたくなったほどだ。
陳腐な友情が馬鹿馬鹿しかった。どっち付かずで一番ずるい祐樹に対して、最も腹が立った。
いや。この女を好き勝手弄んで手放したくせに、なんとか繋ぎとめておこうとした。そんな男に、こいつが惚れていた。それが一番不快だった。
ずっと横抱きに抱いたまま、甘えるように絡ませる腕を振りほどかず、部屋の前まで来た。が、降ろそうとしても離れようとしない女。
「離れろ、」
「んー」
んーじゃねえ。苦しい体勢でポケットから部屋のカギを取り出して玄関を開ける。
放り投げてやろうかとも思ったけど、そっと、下ろした。
「コウっていい男。祐樹より色気がある」
「当たり前だろ」
22、3のガキと比べるな。ガキと比べられたことに腹が立つ。そして女に対して理解しがたい感情の存在を感じつつ、気付かない振りをする。
1軒目の居酒屋で聞いた失恋話。聞いていて虫唾が走った。唾を吐きたくなったほどだ。
陳腐な友情が馬鹿馬鹿しかった。どっち付かずで一番ずるい祐樹に対して、最も腹が立った。
いや。この女を好き勝手弄んで手放したくせに、なんとか繋ぎとめておこうとした。そんな男に、こいつが惚れていた。それが一番不快だった。
ずっと横抱きに抱いたまま、甘えるように絡ませる腕を振りほどかず、部屋の前まで来た。が、降ろそうとしても離れようとしない女。
「離れろ、」
「んー」
んーじゃねえ。苦しい体勢でポケットから部屋のカギを取り出して玄関を開ける。
放り投げてやろうかとも思ったけど、そっと、下ろした。