俺様とネコ女

4.こころside

「ただいまー」

コウの反応をうかがう。お前んちじゃないだろとか、突っ込みを待ってみるも無反応。

まだ16時。今日はコウといっぱいいられる。


「お前、ケーキ食いたい?」

「ケーキはいらないかな。生クリーム苦手なんだよね。甘いものは時々でいいかな」

「だろうな。お前、甘いものよりしょっぱい方が好きだろ」

「うん。クッキーよりお煎餅派。コウもでしょ?」


またしても共通点発見に、嬉しくてコウにくっつく。


「ここネコ。コーヒー?ビール?」

「今はコーヒーでしょ。ね、美咲の一押しから見ようね」

「離れろ」

「私淹れるよ」

「いい」


大人しく距離をとる。コーヒーメーカーをセットしてるコウの動きに、見とれてしまう。指がきれいで、流れるように動く。官能的だ。


「ガン見すんな」

「コウ、かっこいいね」


照れもしない。喜びもしない。かっこいいなんて言われ慣れてるか。

淹れたてのコーヒーの香り。コポコポと音が鳴り、淹れ終わりを知らせてくれた。
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