俺様とネコ女
「靴脱げ」

「脱がして」

「歩け」

「歩けない」


仕方なく脱がして、仕方なく抱き上げた。仕方なく。仕方なく。女のペースに巻き込まれていた。あり得ない。

俺が?俺がペースを乱されるなんてあり得ない。何度も言うが。

心の乱れに納得いかず、ぽん、とベッドに放り投げた。

弾みで女のスカートが捲れ上がり、際どいまでに足を露出する。生憎、理性を持ち合わせている俺は、このくらいでは揺るがない。


そのまま女を放置してシャワーを浴びた。なんとか平常心を取り戻し安堵した。

1週間、いや、1年間の仕事の疲れと、体内のアルコールが流れていく気がした。


あの女、泊めるしかないな。


この容姿のせいで、女にモテる自覚はある。だからこその、ポリシーもある。


俺は、付き合ってる女しか抱かない。
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