俺様とネコ女
張り裂けるこころ
1.こころside
毎朝、バスから降りる頃には、仕事モードに切り替わる。秘書課に入るまで、1日の予定とToDoリストを思い描く。
「ここ!」
肩を叩かれぎょっとした。振り返ると、そこにいたのは、電車通勤の集団から抜け出した直哉さんだった。
「おはよう。びっくりしたー。コウかと思った」
「おはよ。驚いた?」
直哉さんは朝の澄んだ空気が似合う。笑顔がキラキラで、まぶしい。
「毎朝この時間?早いね」
「バスの時間、2本早くしたの」
「へえ。忙しいの?」
「忙しいというか、やる気がみなぎってるの」
足早に会社に向かいながら、直哉さんが「いいね」と笑顔をのぞかせる。
まず、専務室の掃除。メールと手紙のチェックをして、専務と課長とプチ朝会。それから、秘書課全体の朝会。専務の外出も多い。昼は会食だ。手土産はあれで完璧なはず。
週末の今日は、今週中で一番の繁忙日だ。定例役員会議もあるから、残業中、名刺の整理をしよう。
仕事の鬼が身近にいるから、私も負けていられない。
「ここ!」
肩を叩かれぎょっとした。振り返ると、そこにいたのは、電車通勤の集団から抜け出した直哉さんだった。
「おはよう。びっくりしたー。コウかと思った」
「おはよ。驚いた?」
直哉さんは朝の澄んだ空気が似合う。笑顔がキラキラで、まぶしい。
「毎朝この時間?早いね」
「バスの時間、2本早くしたの」
「へえ。忙しいの?」
「忙しいというか、やる気がみなぎってるの」
足早に会社に向かいながら、直哉さんが「いいね」と笑顔をのぞかせる。
まず、専務室の掃除。メールと手紙のチェックをして、専務と課長とプチ朝会。それから、秘書課全体の朝会。専務の外出も多い。昼は会食だ。手土産はあれで完璧なはず。
週末の今日は、今週中で一番の繁忙日だ。定例役員会議もあるから、残業中、名刺の整理をしよう。
仕事の鬼が身近にいるから、私も負けていられない。