俺様とネコ女
もしも別れを選んだら。

あいつならすぐ次の男できるだろう。その方がいいのかもしれない。

でもそれは、俺が耐えられない。


あいつが俺以外の男にじゃれる?気ままに、したいときにしたいようにキスをして、甘えて、誘うのか?

想像しただけで気が狂いそうだ。


やはり、常識的に考えて、遠距離で関係を続けるしかないのか。





どのくらい時間が経過したのかわからない。影の形、大きさが、ずいぶん変わった。

体を起こすと、社用車に乗り込む山本主任の姿が見えた。


なぜかその瞬間、決心がついた。



「主任!」


車から飛び降りて、主任を呼び止めた。


もう迷わない。

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