俺様とネコ女
「ほんと俺様。横柄だよ」
「あ?」
「大人になりなよ」
「降りろ」
「降りないよ?」
「知ってる」
ふっと、口端に笑いを浮かべたその顔が、とても優しくて。
「今の顔画像に残したいから、もう一回笑ってよ。ほら、ニコって」
舌打ち、のち、無視。うん。これでいい。コウとの会話はこうでなくちゃ。
車が動き始めたとき、コウに違和感を覚えた。今笑みを浮かべた口端が、赤く変色しているように見えたのだ。
でもそれは、夕日に照らされているだけだと、さほど気に留めなかった。
「あ?」
「大人になりなよ」
「降りろ」
「降りないよ?」
「知ってる」
ふっと、口端に笑いを浮かべたその顔が、とても優しくて。
「今の顔画像に残したいから、もう一回笑ってよ。ほら、ニコって」
舌打ち、のち、無視。うん。これでいい。コウとの会話はこうでなくちゃ。
車が動き始めたとき、コウに違和感を覚えた。今笑みを浮かべた口端が、赤く変色しているように見えたのだ。
でもそれは、夕日に照らされているだけだと、さほど気に留めなかった。