俺様とネコ女
公衆の面前でカップルたちがいちゃつくのは、見るのもするのも嫌いなのに。実はかなりの確率で、私から腕を組みにいってるかも。…かもじゃない。確実に自分からいってる。
コウに出会ってから、自分のキャラがどんどん崩壊していく。
うわあ。私、ヤバすぎん?
コウの横顔を眺めると、今まで気にならなかった口元の傷が気になり始めた。山本主任に言えなかったのはコウの優しさ。それなのに、結果的に最悪の形になってしまったのが本当に悔やまれる。
私は主任にどれだけ嫌われてもいい。でも、コウと主任の仲はこじれませんように。
「事情を知らなかったとはいえ、あの時キレて悪かった」
「ううん。私こそごめん。キャパオーバーしちゃって、直哉さんに不安ぶつけて、」
「美咲が直哉にお前を助けてやれって頼んだんだろ?今日、昼間直哉から聞いた」
「あ、そうなんだ」
「…直哉は、」
「直哉さんが、どうかした?」
「いや」
相変わらず口端が傷むようで、そこを指で触れたまま、黙ってしまった。
コウはそれきり口をつぐみ、ビールを一気に飲み干し、ビールのおかわり2杯と、料理を何品か注文してくれた。
コウに出会ってから、自分のキャラがどんどん崩壊していく。
うわあ。私、ヤバすぎん?
コウの横顔を眺めると、今まで気にならなかった口元の傷が気になり始めた。山本主任に言えなかったのはコウの優しさ。それなのに、結果的に最悪の形になってしまったのが本当に悔やまれる。
私は主任にどれだけ嫌われてもいい。でも、コウと主任の仲はこじれませんように。
「事情を知らなかったとはいえ、あの時キレて悪かった」
「ううん。私こそごめん。キャパオーバーしちゃって、直哉さんに不安ぶつけて、」
「美咲が直哉にお前を助けてやれって頼んだんだろ?今日、昼間直哉から聞いた」
「あ、そうなんだ」
「…直哉は、」
「直哉さんが、どうかした?」
「いや」
相変わらず口端が傷むようで、そこを指で触れたまま、黙ってしまった。
コウはそれきり口をつぐみ、ビールを一気に飲み干し、ビールのおかわり2杯と、料理を何品か注文してくれた。