俺様とネコ女
「来週の3連休のどこかでお前の家に挨拶に行くからアポとっとけ」

「ありがとう。でも仕事大丈夫?」

「こっちのほうが大事だろ。どうにか都合つける」

「ありがと。放任主義の親だけど、反対したらどうする?」

「しない。相手は俺だぞ?」


俺様コウ様に、吹き出してしまう。

でもね、さすがにちょっと不安だよ。この春大学を卒業して、就職したばかりなのにもう辞めて。付き合って間もない相手と、結婚して東京に行くんだから。


でもコウの言う通り、相手がコウなら、絶対理解してくれると思う。絶対、おめでとうって、言ってくれると思う。


「コウのご実家も、どうにか行けないかな」

「ああ」

「コウのご両親に反対されるかも」

「されない。俺が選んだ女だぞ」

「…俺様」

「お前、式挙げたい?」

「ウエディングドレスは着てみたい。コスプレ感があって楽しそうじゃない?うーん、でも披露宴はいいや。人のは好きなんだけど、自分はしたくない」

「だろうな。お前ひねくれてるから」

「どっちがよ」
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